今はむし歯や歯周病だけをケアしていく時代ではなくなりました。
これからの歯科医療は噛み合わせが大事で、今後は歯科大学の中にも噛み合わせの専門科が創設されていくと考えられます。

私がインプラント治療を始めた頃、歯が抜けた患者さんに対して「この患者さんはなぜインプラントをすることになったのだろう？
なぜ他の歯は健康なのに、ここだけ抜けてしまったのだろう？」といったことを考えていました。
また、いつも同じ歯の被せ物が取れてしまう患者さんや、同じ歯ばかり何度もむし歯になる患者さんがいて、不思議に感じていました。
こういった一部の歯だけに悪いことが起きる原因を解明するため、顎の骨・歯全体の状態・全身症状などを調べていき、「これは噛み合わせが原因になっている」という結論に至ったのです。
これが、私が治療の中枢に噛み合わせを据えるようになったきっかけです。

その後は、実際に噛み合わせを良くしていくことで患者さんの様々な悩みが解消され、歯がしみる・肩が痛む・口呼吸になるといったことまで、噛み合わせ改善で治ることが明らかになっていきました。

もちろん毎日のブラッシングや歯科医院でのクリーニングは大事です。
しかし、いくら磨いても口の中のバランスそのものが崩れていたら、歯にも顎にも負担がかかり、様々な症状が出てきます。
今、歯に何の不自由も感じてないという方も、噛み合わせの予防とケアをされることを強くお勧めいたします。
お口の中の環境は今よりももっと良い状態にすることができるのです。

ないとう歯科医院　院長　内藤仁司