噛み合わせ予防とは

噛み合わせとは

みなさんは、普段食べ物を噛む時に、左右どちらの歯で噛んでいるかを意識していますか?
噛み合わせとは、簡単に言うと「左右の噛む力のバランス」のことです。

そして、左右の歯が同じ強さで噛めるのが正常な状態なのですが、そのバランスが崩れて片方は10の力で噛めるのに、もう片方は8の力でしか噛めないという人が増えています。
すると、食べ物を食べる時に、いつも10の力で噛める歯を使うことになってしまいます。
このバランスの悪さが、様々な症状を引き起こすのです。


噛み合わせが悪いのは現代人の抱える大きな問題

噛み合わせ予防とは

人類がまだ狩猟生活をおこなっていた時代には、肉の塊など、固いものを食べており、歯がすり減る程の強い力で噛んでいたと考えられています。

そして、強く噛むことで顎の骨や顔の筋肉に刺激が与えられ、たくましい顔と体つきをしていました。
みなさんも、とてもたくましいイメージの原始人の復元図を見たことがあるかと思います。

一方、現代の食べ物は、ファーストフードなど、柔らかくて歯に強い刺激が与えられないものが非常に多くなっています。
そのため、幼少期に顎が発達せず、口の中で歯が並ぶのに十分なスペースが作られないため、歯並びが悪くなってしまいます。
また、力が加わらないと歯が生える向きも揃いません。
このようにして、噛み合わせが悪くなり、それが様々な悪影響を及ぼすことになってしまうのです。
「噛み合わせの悪さ」は、まさに現代の人間が抱える大きな問題だと言えるでしょう。

噛み合わせが悪くなるその他の原因

噛み合わせ予防とは

噛み合わせが悪くなる原因は、食文化の変化以外にもいくつかあります。
まず、先天的な原因として、遺伝的に歯の生え方が揃わない人や、歯の大きさ・舌の大きさに異常がある人は、噛み合わせが悪くなる可能性が高いと言えるでしょう。
また、後天的には、顎の成長に悪影響のある怪我をした人、口呼吸・指しゃぶり・唇を噛むといった癖を持っている人は、噛み合わせが悪くなることがあります。

できるだけ早期に予防して、噛み合わせが悪くならないようにしましょう。
なお、噛み合わせの基礎は小学生くらいまでにほとんど決まってしまいますので、お子さんをお持ちの方は、噛み合わせを悪くする原因をできる限り取り除いてあげてください。

嚙み合わせ予防の時代

むし歯や歯周病は、治療をしても、マイナスだった状態がゼロに戻るだけです。
しかし、噛み合わせは、改善すれば歯を失うリスクを低減できるだけでなく、今よりももっと良いお口の状態を実現できます。
実際、噛み合わせを治すと、多くの患者さんが「噛むことがとても心地いい」とおっしゃいますし、中には肩こりや腰痛まで嘘のように治る方がいます

これまでは、健康な歯を長く保つためのデンタルケアと言えば「むし歯予防」と「歯周病予防」でしたが、これからは「嚙み合わせ予防」も重視されていくでしょう。
バランス良く、歯全体を使って噛めるようにすることで、歯そのものと全身の健康を守っていきましょう。